下でオススメした木田 元 さんの「新人生論ノート」。
その中で最も心に残ったところをちょっとご紹介したいと思います。 第三章「運命について」で木田さんはハイデガーという哲学者の時間論を少し説明してくれるんですが、そこでは自分の時間を本来的に生きること、非本来的に生きることについて述べられています。 「・・・<未来>に関しては向うからやってくる可能性をぼんやり<期待>しながら待っているだけ、<過去>に関してはすべてを<忘却>するにまかせ、時たまそのなかのいくつかを想起するだけ、もっぱら<現在>眼前にある事物との交渉に没頭しているといった、弛緩したかたちで時間を生きている・・・」(p52.53) こういう生き方はハイデガー的には非本来的な時間の生き方なんだそうです。 ここを読んだときヤバッって思いました。自分の生き方に似てたから。 特に過去についてはホント忘れるものは忘れて、思い出すものしか思い出さなかった生き方を僕はしてきたので。 で、じゃあ本来的なのはどんなものなのって思って続きを読むと 「・・・将に来たらんとする自分自身の可能性、殊にその究極の可能性である自己の死にまで能動的に<先駆>してそれに覚悟を定め、既に在った自分の体験を絶えず<反復>してそれに意味を与えなおし、そうすることによって自分の置かれた状況に豁然と眼を見開き瞬間的に直視する・・・・」(p53) こういう生き方が本来的なんだそうです。 ・・・正直わかんない。 僕はどちらかというと日常の生活のなかで自分の死を意識する というかこの生活の有限性を意識しよう としているんですが、「自分自身の可能性・・・に覚悟を定め」ている感じではないし。 最近テレビでよくみる渡邉 美樹さんが「ワクワクするような夢じゃないとかなわない」って本で書いてたけど、そういうワクワクする夢をもって、しかもその夢に自分の死も織り込んで、そういう夢を基準に未来と過去を絶えず見て生きて行く って感じなのかな。 木田さんのハイデガーの本を読もうと思います。
by aoisoradeneko
| 2007-05-20 09:06
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